香港滞在

中国を訪れる機会に恵まれた。主に香港に滞在し、マカオや中国本土の深圳(シンセン)にも足を踏み入れることができて嬉しかった。現在、国レベルでは良好な関係だとは言えないかもしれないが、先入観なくこの国を感じよう、と決めていた。
そこでの人々の印象はとても良く、皆さん大変親切だった。言葉がわかりあえなくても、その笑顔やひと懐っこく世話好きなことが伝わる関わり方は、ノスタルジックでもあった。気を張らずにいることができる居心地の良さ、食べ物も直球のおいしさだった。
そして何より、文化においては、全くもって、日本は中国から本当に多くを教わったんだということを改めて実感した。寺院の佇まいと庭園の植物のしつらえ、お祭りのやり方とその飾り、お茶の楽しみ方と箸の文化、そしてもちろん漢字などにおいて、ここは日本かと思うほどだ。

またマカオでは、イギリスやポルトガルの影響が色濃く残り、生活が合理的でもあり、洗練された印象だ。同時に、カジノの異様に贅沢な空間も見た。
さらに中国のシリコンバレーと呼ばれ、経済力を誇る、IT産業や先端技術の集結する広東省のハイテク都市、深圳(シンセン)も訪れた。超高層ビルの連立が美しくも、完璧すぎて、共産的な画一化や無生物的な違和感も感じた。


対して、ランタオ島西部の大澳(タイオー)は「東洋のベニス」と呼ばれる海上の街だ。簡素だが人間性豊かな漁村で、いたる所に大漁旗と干物が並び、ほっとする庶民生活の空気を吸った。
またさらに、ダウンタウンのような、決して富裕層ではない人々が密集した地区のモンスターマンションも見ることができた。

どんな結論を持てば良いのか、未だ整理がつかない。結論など不要かな。
しかし、大好きな人たちがそこに住んでいるという理由で、私はそこを大好きになった。また戻りたいと願っている。