下鴨アカデミーが目指すこと~ヨーロッパの大学寮の歴史をふまえ[3]~

出会いが生む知的な刺激
下鴨アカデミーでの出会いは、たとえ短期間であっても単なる偶然ではありません。下鴨アカデミーにおいて、大学が異なるだけでなく、学部、専門分野、年齢、国籍や言語、出身地、信条、趣味や関心事などが異なる人々と生活、時間を共にします。毎日が知的な刺激にあふれ、ちょっとした質問で始まる会話は、大変興味深いものに発展します。ある日の食卓での顔ぶれを眺め、国籍を数えてみると5カ国だと気づき、あらためてワクワクするというのも、けして珍しいことではありません。同じ日本人であっても、もちろん全く違う背景からの集まりです。勉強している内容の情報交換、大学間のカラーの違いを知り、テスト期間には、勉強方法を相談できたり、励まし合うこともできます。専門を超え、広い視野を持つことに開かれています。そうして日々を共有するうちに、長短を含めて人柄を知り、相手の持つ徳を尊敬できるようになります。同時に、忍耐や正しい批判眼を持って自己を省み、人間への知識と経験が深まります。
真剣な対話と、喜びを分かち合う時間
このようなふれあいは、それぞれの価値観を理解しあう機会となり、真面目なテーマで語り合うこと、協力して責任を果たすなど、表面的な付き合いをさらに深め、友情へとつながります。もちろん堅苦しい毎日ではなく、歌って踊って騒ぎもします。この時も、どんな方法で「人は休憩するのか」を知るのです。
生涯の友情という宝物
下鴨アカデミーでの出会いが偶然ではないと最初に書きました。この学年度に、たまたま在籍したように見えても、まるでパズルのパーツのように、一人一人がその構成員であり、良い雰囲気作りに貢献している、確かにこのような経験が続いて、今までの下鴨アカデミーの美しい歴史を紡いでいます。
利害の一致や、一時的、表面的な仲良しにとどまらず、本物の友情、信頼関係を結ぶには一定の時間や環境が必要です。ここにはそのための雰囲気があります。生涯の友情を築けた人たちはこの学生会館下鴨アカデミーで「宝物」を手に入れたと胸を張って言えます。



