チェリーセージのおはなし

裏庭に咲く、小さなお気に入り
裏庭の片隅に、花はもちろん、葉もとてもいい香りのする植物が自生している。いわゆるハーブ。野生のパワーでどんどん茂る。名前も調べず、どんな種類かも知らずに可愛らしく、よい香りだから、と、食卓に飾っていた。ふとしたきっかけで「チェリーセージ」という名前だと知り、その鮮やかで小さい赤い花がますますお気に入りになった。春から秋の終わりまで次々と花をつける。
香りがつなぐ、ささやかなやりとり
さて、下鴨アカデミーは日ごろ、食材や荷物を配達してくださる業者の方々に大変お世話になっている。ある暑い日、その苦労をねぎらいたいと思い、帰られる時に、庭先からひと枝摘んで、お渡ししてみた。後日、車がよい香りで満たされ、爽やかでした。と喜んでいただけたようでこちらも嬉しくなった。
花はエディブルフラワーとして食用に、葉でハーブティーが作れる。寮のみなさんの食卓を豊かにする大切な仕事を、裏庭の小さなハーブがそっと手伝ってくれそうだ。


